今日は俺の誕生日だ。
毎年、俊子が手料理とケーキを用意して、祝ってくれる。
俺には友達も子どももいないけれど、
俊子と出会ってもうすぐ20年。結婚して10年。
これからもずっと、ふたりでいられればそれだけでいい――
そう思っていた。
その日、家に帰ると
珍しく、家の中が真っ暗だった。
俊子の具合でも悪いのかと思い、慌てて中へ入り、
リビングに向かうと、机の上に
黄色い封筒と、指輪、そして手紙が置かれていた。
裕太くん
お誕生日おめでとう。
これからも裕太くんが、ずっと幸せでいられますように。
心から、そう願っています。
今まで、本当にありがとう。
これは、私からの最後のお願いとプレゼントです。
必要事項を記入して、役所に提出してください。
俊子
封筒の中には、記入済みの離婚届と、結婚指輪が添えられていた。
突然すぎて、何が起きたのか理解できなかった。
どういうことだ?サプライズ?――悪い冗談としか思えなかった。
俊子は元々、物をあまり持たないタイプだったが、
家の中の彼女の私物は、きれいに消えていた。
こんな状況で、離婚届なんて書けるわけがない。
俺はその紙を丸めて、ゴミ箱に捨てようとした。
……そのとき、ふと目に留まった。
ゴミ箱の中に、もうひとつ、同じ黄色い封筒があった。
気になって、ぐしゃぐしゃになった封筒を拾い上げ、中を開く。
裕太くん
お誕生日おめでとう。
これからも裕太くんが、ずっと幸せでいられますように。
心から、そう願っています。
これからも、どうかよろしくお願いします。
これは、私からのささやかなプレゼントです。
謎解きが得意な裕太くんからすれば
「なんてことない」って思うかもしれないけど、
私なりに、かなり頑張ったんだよ。
アクセスしてみてね。
俊子